昔と今の野菜を比べてみる

昔の野菜 毒が強すぎて 灰汁抜き しないとだめ?

食材の食べ方というのは時代と共に変化しますが、野菜は特に味にクセが無くなったとよく聞きます。
昔の野菜は例えばトマトは酸っぱくピーマンは苦かったと言われるのですが、昔の野菜は今と何が違っていたのでしょうか。

 

 

野菜のはじまり

もともと日本の野菜は、野草など自然に生えている草の中から食べられるものを選んで畑で育て始めたのがはじまりです。
例えばフキやセリ、ミツバ、ウドなどが代表的な日本原産の野菜です。
日常的に食卓に上ることが少なくなってきて、なかなか口にしたことがない方も多くいるかと思いますが、天然のフキ、セリ、ウドはアクが強く必ずアク抜きが必要です。
また今となっては生でも食べることのできるミツバも、実はもともと自然に生えているものはアクが強くアク抜きが必要でした。
スーパーで販売されているミツバはアク抜きをしなくても生で美味しく食べられるので問題はいりませんが野生に生えているミツバを食べるときは注意が必要です。

 

 

フキ、セリ、ウドのアク

日本原産野菜として代表的なフキ、セリ、ウドですが、何故アク抜きが必要なのかというと、

 

フキ

フキは基本的にはアク抜きをしなければ、エグミや苦味が強く美味しく食べられないためにアク抜きをします。
アク抜きをしていないフキを食べても普通の量を食べたら問題はありませんが、アク抜きをしていないフキを大量に食べてしまうと肝障害などを引き起こすと言われています。

 

セリ

七草粥で多くの人に知られているセリですが天然のセリはアクが強く、アク抜きをしないとなかなか食べられません。
健康被害があるわけではありませんがアク抜きをした方が美味しく食べることができます。

 

ウド

ウドは春から初夏にかけて春を迎える山菜です。
天然の”山ウド”と人工的に作られた”白ウド”の2種類がありますが、特にアク抜きが必要なのは山ウドです。
山ウドは体に害はないのですがアク抜きをしないとアクが強すぎて美味しく食べられません。

 

これらの植物は、動物などから自分を守るためにエグミ成分を生成していました。
今では人工的に作られていて、アク抜きをしなくても食べられるというセリやウドも見かけますが基本的には天然のものはそのままではエグミなどのアクが強いためアク抜きをしてからではないとなかなか美味しく食べられません。

 

 

生野菜を食べる文化

今では当たり前のように食べられているサラダですが、もともと日本には生野菜を食べる文化はありませんでした。
なぜ日本では生野菜を食べる文化がなかったのかというと、日本の野菜にはアクの原因となるシュウ酸が含まれているからです。
サラダとして生野菜が食べる文化が入ってきたから、レタスやトマトといった加熱をせずに食べる野菜が普及しました。
更に今までアクが強くて加熱をしてからでないと食べられなかった日本の野菜も品種改良をしてシュウ酸の少ない野菜が出回るようになりました。
シュウ酸が多い野菜として代表的なほうれん草もサラダほうれん草といって生で食べられるサラダ用のほうれん草があるくらいです。

 

 

シュウ酸は毒?

昔の日本の野菜にはシュウ酸が多く含まれていたということですが、シュウ酸は体にとって毒なのでしょうか?
実はシュウ酸は体内に入ると、体の中でカルシウムと結合してカルシウム不足を招く性質があります。
体内でカルシウムと結合したシュウ酸が少しずつ溜まっていくと結石を作り出します。
結石は腎臓にある間は痛みを特に感じませんが、尿管へ移動すると救急車を呼ぶくらいの激痛を伴います。
シュウ酸を摂って体に良いことはないので、なるべく摂取はしたくない物質です。

 

 

栄養価の違い

昔の野菜に比べて今の野菜は栄養価が少ないから、サプリメントや青汁などを飲んで栄養を補給するという話はよく聞きます。
これは文部科学省が発表している”日本食品標準成分表”という記録が参考にされています。
標準成分表という名前の通り、旬の時期ではなく年間を通しての平均の栄養価の数値を出しているので、昔は旬の野菜の数値のみ、現代ではビニールハウスなどの農業技術の発展に伴って年中栽培される野菜とそもそもの野菜の判定方法が異なります。
全体的に栄養価が落ちていることには間違いはないのですが、私たちも旬の食材をできれば自分で調理して食べるとより栄養を摂ることができます。

 

 

昔の日本の野菜は生野菜として食べるようには作られておらず、シュウ酸を摂取してしまわないようにアク抜きをしてから食べるものばかりでした。
生野菜として食べられるよう改良されているとはいえ、例えばほうれん草や芋類、茄子やゴボウなどはアク抜きをしてから調理するようにしてください。

 

また、ほとんどの野菜は価格に変動はありますが年中夏野菜も冬野菜も食べられるような便利な社会ですが、なるべく旬の野菜を意識して、必要なものはアク抜きして、なるべく体に良い食事を心がけてください。